NTTアクセスサービスシステム研究所(以下、AS研)では、お客様とNTTビルをつなぐアクセスネットワークに関する研究開発を行っている。昨年発表したIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想の進展状況と事業へ貢献する先端技術に取り組む研究開発の状況について、また、コロナ禍の影響でリモート開催となった「つくばフォーラム2020 ONLINE」の見どころなどについて、青柳雄二所長にお話を伺った。
NTTアクセスサービスシステム研究所 所長青柳 雄二氏
AS研では、新技術領域の開拓や新たな価値の創出等の活動を進めると共に、その活動を通してアクセスネットワーク技術の将来ビジョンの検討および、研究開発の方向性の策定を行っている。以下では、将来ビジョンの検討状況と、その実現に向けた3つの技術を紹介する。
AS研の光アクセス基盤プロジェクトでは、IOWN構想の実現に向けて、Photonic Gatewayによる低遅延な光アクセスネットワーク(以下、NW)の研究開発を進めている。大容量、低遅延を実現するNWに求められる波長管理や集線など光の特性を生かしたシステム技術について以下に述べる。
AS研は、無線LANをはじめとしたさまざまな無線アクセス技術について研究開発を進めてきた。以下では、IOWN時代のアクセスネットワークを支える無線センシング/品質予測/協調技術、インテリジェント空間形成技術と、電波伝搬技術/標準化を活用した無線方式拡張技術について述べる。
AS研の無線エントランスプロジェクトは、IOWN構想の具現化とともに事業貢献を掲げて取り組んでいる。以下では、直近の事業貢献としてTZ-68Dによる超ルーラル地域へのサービス提供、将来を見据えた無線技術の研究開発例として、アナログRoF(Radio over Fiber)と分散アンテナの融合による無線大容量化技術、更に、JAXAと連携して進めている世界初となる低軌道衛星技術のMIMO実証実験について述べる。
AS研では、スマートエンジニアリング・メンテナンスを目指して、アクセス設備運用をデジタルトランスフォーメーション(DX)化する技術を研究開発している。お客様のサービスオーダを受けて、スプリッタ下部の心線を効率良く指定できるようにする技術や、高齢化による技術者不足が叫ばれる中で経済的で、効率的な施工技術等の運用イノベーションを進めている。
AS研では、昨年提唱したIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想の3 本柱の一つであるAPN(オールフォトニクスネットワーク)に基づき、既存光ファイバ限界克服を目指したSDM(空間分割多重)をはじめとする次世代光線路技術の研究開発を行っている。ここでは、① SDMファイバ技術、②トポロジ可変光アクセス網構成技術、③新たなリーチ先に対する光提供機会の拡大技術について述べる。
AS研では、IOWN時代のメンテナンスフリー技術を目指して、NTTグループ業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)化の研究開発を行っている。以下では、設備情報の3D絶対座標管理技術の可視化、ドローンによる地下構造物の自動点検診断技術、画像解析による通信用とう道の診断自動化技術について述べる。
AS研では、Smart Worldを目指してオペレーション業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)化をソフトウェア技術で実現するための研究開発を行っている。以下では、災害復旧支援技術とUI(ユーザーインターフェース) 拡張高度化技術について述べる。
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