NTTセキュアプラットフォーム研究所(以下、SC研)ではデータ活用のハードルとなるセキュリティ、プライバシーへの脅威・懸念についての課題を解決するために、技術面だけでなく法制度等の面からも、研究開発に取り組んでいる。研究開発と制度設計に貢献し、第66回前島密賞および2020年度SCAT会長大賞を受賞された高橋克巳主席研究員にお話を伺った。
NTTセキュアプラットフォーム研究所 主席研究員 チーフ・セキュリティ・サイエンティスト高橋 克巳氏
SC研では、パーソナルデータを利活用する技術と法の境界にある新課題の発見と解決案の提言に取り組んでおり、これまで蓄積したノウハウとして、パーソナルデータ取扱い上の法的要件と具体的な事例を解説する「パーソナルデータコンプライアンス設計ガイドブック」を策定し事業会社各社へ展開している。
SC研では、企業におけるパーソナルデータの取得・活用に必要な「利用者の同意」についてプライバシーポリシーの適切な同意取得に向けた表現・表示方法に対する利用者評価の調査を通じ、プライバシーに関する規定やそれによって利用者の意向にどのような影響が及ぶかについて、研究調査を実施している。
SC研では、プライバシーを保護しつつパーソナルデータなどの利活用を実現する秘密計算技術・匿名化技術の実社会での利用に向けて、医療データを用いた実証実験などに取り組んでいる。以下では、秘密計算技術の最近の研究状況について述べる。
※記載の会社名および製品名は、各社の商標または登録商標です。
Copyright © BUSINESS COMMUNICATION. All rights reserved. ※本サイトの掲載記事、コンテンツ等の無断転載を禁じます。