NTT物性科学基礎研究所(以下、物性研)では、世界をリードする高い技術力による新しい価値創出・社会的課題の解決に向けた研究を推進している。物性研のミッションや研究成果などについて同研究所の後藤秀樹所長にお話を伺った。
NTT物性科学基礎研究所 所長後藤 秀樹氏
物性研では、世界初となるフェムトジュール(fJ)級の超低エネルギーの光変調器や光トランジスタについて研究している。本稿では、2030年達成を目指すIOWN構想に向けた光電融合型デバイスの第5世代の開発状況や、光電融合アクセラレータへの研究展開について述べる。
物性研では、グラフェンを組み合わせた光ナノ導波路で超高速・低消費エネルギーの全光スイッチを研究開発している。本稿では、プラズモニック導波路技術を用いて世界初となる超高速・低消費エネルギーの全光スイッチを実現し、光情報処理集積回路へ向けて大きく前進した結果を報告する。
物性研では、光の干渉だけで動作する超低遅延の高性能・小型の光論理ゲートであるΨ(プサイ)ゲートの実験に世界で初めて成功した。単一のΨゲートだけで、バイアス光のレベルを変化させることで代表的な論理演算であるAND/XNOR/NORなどが波長無依存で実現できる。
物性研では、フォトニック結晶を変形させることにより、光のトポロジカルな特異点を自在に生成・制御できる手法を世界で初めて理論的に明らかにした。この成果は、レーザの偏光状態や出射方向の制御に利用可能で、光のトポロジカルな性質を利用した新しい光制御の可能性を示すものとして期待されている。
※記載の会社名および製品名は、各社の商標または登録商標です。
Copyright © BUSINESS COMMUNICATION. All rights reserved. ※本サイトの掲載記事、コンテンツ等の無断転載を禁じます。