NTT人間情報研究所(以下、人間研)の阿久津 明人所長にお話を伺った。人間研は、本年7月1日に新しい研究所として生まれている。人間研のミッション、重点項目と今後の予定、若手研究者へのお言葉などを取材した結果を報告する。
NTT人間情報研究所 所長阿久津 明人氏
人間研の共生知能研究プロジェクト(共生P)では、長文のテキストを読み解き、要約文を自動で生成する技術を研究開発している。AI の活用により、超大規模データから学習した事前知識を活用した重要語抽出モデルにより、入力テキストの重要な箇所を的確に判断するとともに、自然な文章の要約文を生成できる技術を紹介する。
人間研のデジタルツインコンピューティング研究プロジェクトでは、「Axispot®」という技術を研究開発している。この技術は、場所のデータに時間を加えたデータベースで、自動運転、スマートフォンやドローンなどのリアルタイムでの検索技術に適している。特に、高密度なマッピングでの何百万台に及ぶ車両情報をレーンレベルでリアルタイムでサーチする場合に威力を発揮する技術である
人間研のサイバー世界研究プロジェクト(電脳P)では、4Dデジタル基盤による社会インフラの協調保全の実現をめざし、高度地理空間情報データベースを構築するためのMMS点群データ処理技術geoNebulaの研究開発を推進している。
人間研のサイバー世界研究プロジェクト(電脳P)では、リモートワールド実現に向けたスポーツ・エンターテインメント分野の研究開発を行っている。リモート観戦においては、一体感ある観戦体験を生み出す遠隔会場からの応援を競技場まで届けている。3Dメガネ無しできれいな2D映像が楽しめる技術(Hidden Stereo)や超歌舞伎の被写体抽出技術やスタイル変換技術などが注目される。
人間研の思考処理研究プロジェクト(思考P)では、AIを用いた音声合成技術を研究開発している。本稿では人間研の、低コストで構築可能な音声合成技術、同形異音語の正確な読み分け、多様なデバイスでの動作、DNNによる音声波形の生成の取り組みについて述べる。
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