2021年の7月1日に組織が変更されNTTネットワークイノベーションセンタ(NIC)が新設されました。NICでは「IOWN実現に向け、革新的なオールフォトニクスネットワークのシステム化や、その高度な運用制御を図るネットワーク機能のソフトウェア化の研究開発」と、それらの技術開発を通じて、「移動固定融合の実現や既存ネットワークの競争力維持とIOWNへのマイグレーション」を図っていきます。
NTTネットワークイノベーションセンタ
センタ長 岡崎 義勝氏
アクセスインフラプロジェクトでは、IOWNのAPNを支える足回りの技術開発をミッションとし、光ファイバーケーブルなどの光線路基盤技術の開発やアクセスネットワーク(線路・土木分野)の構築/ 運用/ 維持管理のスマート化実現に向けた技術開発に取り組んでいる。コア研究で原理確立した技術をベースに顧客ニーズを超えるレベルで実用化する一方、技術開発を通じて得られたより多くの顕在・潜在的顧客ニーズをコア研究へ展開することで、コア研究と技術開発が双方向でレベル向上していく好循環サイクルを目指している。本稿では、取組内容について紹介する。
アクセスネットワークプロジェクトでは、光・無線アクセスにおけるR&D 創出技術の早期アウトプットと既存設備・サービス技術の持続的発展に向けた研究開発を推進しています。本稿では、アクセスネットワークに関わる無線・光・オペレーションの各分野における主な開発技術を紹介する。
移動と固定の強みを組み合わせた「移動固定融合サービス」の実現には、各ドメインの特性に応じた最適なネットワークサービスを提供するため、ドメインごとの制御機能(コントローラ)が必要となる。ネットワークオペレーションプロジェクトにおける、オープンRAN領域のコントローラ研究開発取り組みを紹介する。
トランスポートシステムプロジェクトでは、IOWNトランスポート技術の確立と光伝送網の維持高度化に取り組んでいる。基盤として多岐にわたるサービスを支える光伝送網の信頼性向上がより一層重要となって来ており、本稿では、装置故障の復旧時間短縮による信頼性向上を目指すプロアクティブ保守運用技術の取り組みについて紹介する。
転送サービス基盤プロジェクトでは、IOWN時代の移動固定融合実現にむけ、各種クラウドやアクセスネットワークを柔軟に接続しネットワークサービス提供を行う機能別専用ネットワーク(FDN)の研究開発を行っている。本稿では、FDN の実現で不可欠なネットワーク機能制御技術やネットワーク情報収集技術の高度化に着目しその取り組みを紹介する。
ネットワーク制御ソフトウェアプロジェクトでは、移動固定融合の実現にむけ、ネットワークとその構成機器を仮想化し統合的に運用する技術の開発に取り組んでいる。本稿では、ベンダーロックインによるコスト増大回避を目的としたマルチベンダー仮想化機能の運用のため、種々の仮想ネットワーク機能を一元管理するG-VNFM(Generic-Virtual Network Function Manager)をオープンソースとして開発し、標準化団体と連携して普及促進を図る取り組みを紹介する。
ネットワーク開発戦略プロジェクトでは、移動固定融合を含むネットワーク系全体の開発戦略策定を推進しています。本稿では、IOWN実現に向けて、大量かつ様々なデバイスに対して安心・安全を保証するための事前検証や、ネットワークインフラのディスアグリゲーション化を支える最適な組み合わせ検証を可能とするネットワークデジタルレプリカの取り組みについて紹介する。
コミュニケーションサービスプロジェクトでは、音声通信を含むセッション制御系サービスの持続的発展に向けた研究開発と技術継承に取り組んでいる。音声系コミュニケーションサービス提供では、自然災害を含むシステム故障時に、速やかにシステム故障復旧させ、サービス回復させることが重要である。本稿では、最新技術に加えて市中技術・製品も活用したトピックスとして、システムの災害対策や故障・不具合の監視・検知・解析の支援を考慮した技術を紹介する。
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