●最新ブロードバンドソリューション

総論
ブロードバンドサービスを支える技術とソリューション

■急拡大するブロードバンドアクセス年内700万ユーザー突破は確実

 総務省は昨年10月、「全国ブロードバンド構想」を発表、2005年度末時点でのブロードバンド(高速・超高速)によるインターネットの実加入世帯数を約1,977万と見込んでおり、当面はxDSLがブロードバンドアクセスの主流を占めるものの、FTTHが2003年度から急速に普及し、2005年度末時点ではxDSLを逆転しブロードバンドアクセスの主流になるものと予測している(図1参照)[1]


図1 高速・超高速インターネットの普及予測

 この予測に対し、実際の普及状況はどうかというと、総務省が発表した今年7月末現在のインターネット利用者数によると、xDSL、FTTH、CATVによるブロードバンド接続を利用しているユーザーは前月より40万増加し、540万を突破していることがわかった。回線種別ごとの加入者数及び増加数をみると、xDSL が+30万9,000の361万199、FTTHが+1万6,000の8万4,903、CATVが+8万4,000の171万となっている。ADSLについては、今年8月に入り各事業者が一斉に8Mbps超の10Mbps、12Mbpsのサービスを開始したことで今年後半にかけてさらなる利用者数の増加が見込めそうだし、高い増加ペースのFTTHや堅調に増加しているCATV、さらにはホットスポット向けの無線LAN(FWA)サービスが本格的な立ち上がりや、集合住宅向けのブロードバンドアクセスソリューションが提供され始めており、年内にブロードバンド利用者が700万を突破することはほぼ確実のようだ。

 特にFTTHについては、今年3月末の加入者系光ファイバー網の整備が全国平均で59%、政令指定都市・県庁所在地級都市の95%をカバーしたこともあって、今年上半期における加入者数の月間伸び率の平均が38.2%と急速に普及拡大している。

 また、外出先のホットスポットからブロードバンドアクセスを可能にする高速無線LAN接続サービスは今年に入って商用サービスが開始され、提供エリアも急速に拡大されてきている。なお、現在は20GHz帯を使用するIEEE802.11b(通信速度11Mbps)と802.11bの約5倍の通信速度を実現する802.11a(5GHz帯)の無線LANが中心だが、総務省は去る9月10日、3.1〜10.6GHz帯を使い近距離(10m程度)で100 Mbpsと、光ファイバー並の速度でデータを送受信できる超広帯域無線「UWB(ウルトラワイドバンド)」の商用化を2003年度末までに認める方針を明らかにしている。

 このようなブロードバンドアクセスの普及拡大に伴い、従来の電子メールやWebページの閲覧などを中心としたものから、動画、音楽、PDFドキュメント、ゲーム、ソフトウェア等を対象としたストリーミング、ダウンロード、さらには動画コミュニケーションサービスなど、ブロードバンド化のメリットを活かした利用が拡大してきている。

■ブロードバンドの中核技術「CDN」

 ブロードバンド化が進展してきてもその上で流通するブロードバンドコンテンツの蓄積・流通の仕組みがなければ、必ずしも快適な高速道路、サービスエリアやアミューズメントパークを作っているとは言えない。

 ブロードバンドコンテンツを配信する仕組みとして、CDN(Content Distribution Network)があげられる。ブロードバンドコンテンツを配信する場合、アクセス回線の高速化に加え、トラフィックの輻輳に対応したISPの中継ネットワークの高速化や配信サーバーの能力増も必要になる。ブロードバンドのボトルネックになる中継ネットワークやコンテンツ配信システムの課題を解決するのが、CDNだ。

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