●総合システムインテグレーターを目指すデータクラフトジャパンのソリューション戦略


ネットワーク管理システム“Insite”で実現するインタラクティブなネットワーク運用管理


株式会社データクラフトジャパン
サービス部 マネージドサービス
シニアビジネスディベロップメントマネージャー
アーウィン マッティー

■アクセス方法の拡大で、ますます複雑化する企業ネットワークシステム

 昨今の企業IT化推進に伴い、ネットワーク管理への要求がますます増大している。IT化の進展は、PDAや携帯電話、また無線LANなどによる企業内ネットワークへの接続など、ユーザーのアクセス形態の可能性を拡大したが、一方では、ネットワークシステムの複雑化を生み出し、その管理や障害の探知など企業のネットワークシステムの煩雑化、かつ多様化に拍車をかけている。

 従来、障害発生時のみ対処すれば事足りていた企業内のシステム部門も、現在では工程管理など他部門のIT化導入に伴って、より広い範囲のシステムやネットワーク管理を行わなければならないなど、従来型の企業内におけるネットワーク管理システムのまま、新たな業務を同時にこなしていくことは非常に困難になってきている。

 また、ビジネスの中核としてITを活用する企業も増えていることから、ネットワーク障害に対する危機管理体制や、受発注における即時対応へのニーズなども、ますます高まってきており、ビジネスそのもののスピードを上げ、効率良く最大の効果をあげていくかが焦点となっている。

 こうした背景の下、多くの企業は、ひとつひとつのシステムをその都度ビジネス上のニーズに対応するように構築するというよりも、既存のシステムをいかに新たなニーズに対応したシステムに変更していくかという点に注力しており、従来のシステムを活用しながら、様々な状況から安全かつ快適に、ネットワークへアクセスする方法を模索している。また、企業内・外の情報へのアクセス方法が多様化し、利便性が高まった結果として、コスト面およびサポート面への対応も、企業にとっては、多大な負担となっており、同時に、企業内の情報システム部門を中心に、日々自社内でのシステムサポートを行うことが、限界に達しているという点も指摘されている。

■7割がNMS導入に失敗ー技術だけでは、クリアできないNMS導入

 こういった状況から、昨今、ネットワークマネジメントシステム(以下NMS)へのニーズが高まってきており、業務の効率を上げ、危機管理にも柔軟に対応することを目的に、多くの企業が導入を模索しているが、実際にNMSを導入しても、失敗している会社が多く、導入済み企業のおよそ70%が、完全には導入実績を上げられていないという状況だ(図1参照)。


図1 NMS導入36ヵ月後の状況
(出典:ガートナーグループ)


 導入効果をあげることが難しい理由としては、

・不十分な設計および導入計画
 システムを導入すれば、全て解決するという安易な発想から不十分な設計や導入計画の実施―既存のシステムとの兼ね合い等に関して、詳細な検討がなされていない。

・ベンダーによるNMSの過剰販売

・導入企業のNMS製品への理解不足

・システム担当者の管理対象機器への知識不足

・人員不足、人材不足
 従来ネットワーク管理担当者は、大企業であっても、数名のケースが多く、また、他業務も兼任しているケースが多いため。

・ネットワーク管理に対する管理ポリシーの欠如

と以上のような理由があげられる。

 一般的に、ネットワーク管理においては、技術面20%、スキル面および人材40%、プロセス40%といわれているが、上記のNMS導入実績をみても、実際にNMSを導入した企業で、問題の解決が図られているケースは、全体の20%に過ぎず、残りの80%は、導入以前に抱えていた問題が、未解決のまま残ってしまうケースが多い。これは、20%にあたる技術面は、NMS導入によりカバーされても、残りの80%にあたるスキルと人材、プロセスに関しては、多くの企業であまり重きをおいて考えていないケースが多いからだといえる。


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