●新時代ビジネスへ−ブロードバンド時代を拓くサービス&ソリューション

 NTTコミュニケーションズ
 取締役 ブロードバンドIP事業部長
 金融戦略情報ビジネス
 野村 雅行氏

*****NTTコミュニケーションズ*****
高品質で信頼性の高いサービスの提供と
高付加価値サービスの提供を推進していく


■活発化するブロードバンド市場

 わが国のADSL利用者の数は現在も急速に増加しており、この勢いは2003年度に入っても継続している。このような状況の中で今後課題となってくることは、より高速で信頼性の高いサービスを提供していくことと、ユーザーニーズに対応した多彩なアプリケーションを提供していくことである。その中でとくに注目されているのがVoIPである。VoIP に関しては音声品質の確保など、さまざまな課題があげられていたが、これらの課題を解決する多くの検証結果が公表されている。2003年度は「VoIP元年」といわれるように、VoIPを利用したアプリケーションが続々と市場に投入されてくるだろう。

 わが国におけるブロードバンド市場のマーケットリーダーとして確固たる地位を確立してきたNTTコミュニケーションズ梶i以下、NTTコミュニケーションズ)にてブロードバンド事業の中核を担っているブロードバンドIP事業部の野村雅行取締役は、市場および事業のポイントについて次のように語っている。「現在は、インフラの整備が軌道にのりましたので、今後は、企業向けのさまざまなアプリケーションサービスが登場し、市場はますます活気に溢れてくるでしょう。その際にポイントとなることは、品質とセキュリティを確保する技術だと思います。」

■ユーザーサイドに立った高品質なブロードバンドサービスを提供

 NTTコミュニケーションズにおけるブロードバンド事業は、同社の事業ミッションである“Global IP Solution Company”の中核をなすものである。お客様の多様なニーズにきめ細かく対応した豊富なメニューを提供し、信頼性の高いサービスを快適に安心して利用していただくことをコンセプトとして事業に取り組み、これまで高い評価を獲得してきた。その中でもブロードバンドIP事業部は、企業向けインターネット接続サービス「OCN for Business」や広域イーサネットサービス「e-VLAN」、企業向けVoIPサービスを中心としたビジネスを推進し、市場の牽引役として、ユーザーサイドに立ったサービスを提供し続けている。

 「我々の事業の特徴として、お客様のニーズに対してスピーディーかつフレキシブルに対応していることがあげられます。たとえば、外部からの不正な侵入者やお客様のメールへのウイルスに対応するために、いち早く侵入検知サービスやウイルスチェックサービスを提供しました。また、万一ネットワーク上で故障が発生した場合でも、サービスを中断することなく継続してご利用いただけるよう、インフラの整備にも注力してきました。IPサービスの場合は、回線の故障が発生するというよりも、どちらかというと回線の混み具合により、『レスポンスが遅くなるのでは』との不安をもたれる場合がありますが、OCNでは定期的なバックボーンの増強や冗長性の確保に加えて、品質、安定性の向上に努めています。」(前出、野村取締役)

■より強固なバックボーンを構築し快適かつ安全な環境を提供

 ブロードバンド化の急速な進展により、バックボーンのトラフィックは急増しており、そのための処理能力は常に強化が必要である。NTTコミュニケーションズでは、十分な帯域確保とともにバックボーンの二重化や冗長構造を図るなど、危機管理に備えた万全の対策を行っている。

 たとえば、帯域確保という点では、映像や音楽の配信、IP電話をはじめとする新しいアプリケーションの利用拡大に伴う爆発的なトラフィックの増大に対応するため、東京・大阪間の帯域を国内事業者で初めて20Gbpsに増強したほか、OCNバックボーンの海外・国内対外接続においては、10Gbps インタフェースを導入するなど、通信環境の高速化を図った。また一方では、万全な危機管理対策として、バックボーンの二重化だけでなく、ネットワーク構成も二面構造にしてリスク分散を行うなど、より強固なインフラを構築している。「東京1、東京2」「大阪1、大阪2」というように拠点分散を行ったA面/B面の二面構成の異経路による分散冗長化を図ることで、万一装置や回線の故障や拠点災害などの事故が起こった場合でも、十分な帯域および迂回ルートを確保できるようにしている(図1参照) 。


図1 NTTコミュニケーションズのIPバックボーン

■多様なニーズへの対応を図る広域LANサービス

 お客様の複数拠点に跨るイーサネットLAN環境を相互に接続する広域イーサネットサービスは、2001年頃から提供が開始され、以来市場は急激に拡大している。

 広域イーサネットサービスは、レイヤ2のイーサスイッチングを行うため、上位レイヤはユーザー自身によるルータ設計、管理が可能であり、プロトコルフリーでもある。TCP/IPによるデータ通信ではあっても、信頼度設計、IPアドレスの管理などはユーザー自身で行いたいというように、現在でもIP以外のプロトコル(Apple Talk 、SNAなど)による通信を行う企業ユーザーは多い。また、EDI等においても非IP系の通信に対するニーズも多く、さらに運用上OSPF等のルーティングプロトコルを利用して、より柔軟なネットワークの運用・管理を独自で実施したいという要望も多くある。

 NTTコミュニケーションズの広域イーサネットサービス「e-VLAN」はこうしたニーズに対応し、レイヤ2の特徴を活かした利便性の高いメニューを用意している(図2参照)。アクセスラインについては、従来から提供しているデジタルアクセス128、ATMメガリンク、メガデータネッツ、メトロイーサ/アーバンイーサ等に加え、潟Aッカ・ネットワークスのDSLアクセス、電力系地域会社のイーサネットの接続も可能となった。さらに今後は、デジタルアクセス1500やモバイルアクセスへの対応も予定しており、より一層充実したラインアップからお客様のニーズにあったアクセスラインを選択できるようになる。また、付加サービスとしては、より高い信頼性・安定性を確保するニーズに対応するため、サービス品質保証制度(SLA)の導入や、DSLアクセスにおけるコールドスタンバイモデムの提供を行っている。さらに今後は、エッジ端末までも含めたネットワークマネージメントのニーズに対応するため、レンタルルータの提供も予定している。


図2 「e-VLAN」サービス概要

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