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インタビュー:高性能・高品質の製品とサービスで、快適かつ安心して使えるギャランティ型IP網を実現 アラクサラネットワークス 代表取締役社長 和田宏行氏
アラクサラネットワークス
代表取締役社長
和田宏行氏

2004年10 月、日立製作所とNEC の合弁で設立されたルータ/スイッチ専業メーカーの アラクサラネットワークス。ハイエンド及びミッドレンジのルータ/スイッチ市場にお いて、「ギャランティード・ネットワーク」を事業コンセプトに、ビジネス拡大を目指す 同社の取組みについて、和田宏行社長にうかがった。

「ギャランティード・ネットワーク」をコンセプトに事業展開

―昨年10月、日立製作所とNECの合弁によりスタートされましたが、どのような点に軸足を置いて事業展開されていますか。

和田私どもアラクサラネットワークは、発足に際して「ギャランテ ィード・ネットワーク」というコンセプトを打ち出しました。そのベー スとなる企業理念として、「快適で 安心して使えるネットワークを世界 中の人々にご提供する」、「豊かな情 報通信社会の実現に貢献する」ことの2つを掲げています。これまで IP ネットワークは、安価であるが 必ずしも通信品質は保証されないと いうベストエフォート型が主流で発 展してきました。しかし、IP ネッ トワークが社会や企業のインフラと して用いられるようになった現在、 誰でも快適に安心してネットワーク が使える環境を「保証」していこうという意味を込めて「ギャランティード・ネットワーク」を掲げました。通信品質や信頼性を保証できるギャランティ型のIP 網の実現に向け、技術的要素とサービス的要素の2つ の要素を軸に事業展開しています。図1に示すように、ギャランティード・ネットワーク技術ということでは、製品品質を根幹に、ギャラン ティ性の要素を6つにカテゴライズしています。また、ギャランティード・ネットワークサービスということで、サービス品質を主軸に、同様 に6つの要素にカテゴライズしています。


図1 アラクサラネットワークスが提案するギャランティード・ネットワーク

―特徴的な要素としてどのような点があげられますか。

和田技術面での特徴的な要素としては、まずエコロジーということで省エネがあげられます。国内でのルータ/スイッチのエネルギー消費量は、2007年度には原子力発電所 1基分に相当するという予測もあり、省エネ対策は不可欠となっています。私どもの現行製品は、かなり消費電力を抑えていますが、次世代製品ではそれをさらに半減化しよう ということで現在取り組んでいま す。また、独自のLSI開発技術により、高性能・高いポート密度を実現しています。ネットワーク・セキュリティに関して、「オープン・セキュリティ・ソリューション」ということで、著名ISV(Independent Software Vendor)の提供するソリューションとの組み合わせで、より強固なセキュリティを実現していこうとしています。

一方、サービス面での特徴的な要素 としては、障害発生時のレポーティン グ・サポートがあげられます。これは、 何が原因で障害が発生したか、再発防 止策を含めてお客さまに積極的に情報 発信していこうというものです。また、 保守支援ということで、パートナー様 に対して部品在庫を持たなくて済むよ うに、保守部品をデリバリーするサー ビスを行っています。さらに、予防保 全ということで、エンドユーザー様に対するリモートメンテナンスのサービスも提供しています。

―技術面とサービス・サポートの両面で、日立・NEC 2社のシナジー効果が明確に現れている…。

和田その通りです。技術面では、設計サイドの双方の優れたところを融合して複合すると、ギャランティ 性を示す6つのパラメータになります。また、サービス・サポートの面 では、日立・NECで製品を販売していた時に課題として抱えていた点を 主軸に、その解決策を具現化したものとなっています。私どもは、特に品質面を重視する日立・NEC両社の DNAを持った開発者とサポート要員がいるというのが大きな特徴です。

ミッドレンジ~ハイエンドのルータ/スイッチ市場でシェア17%を目指す

―ターゲットとする国内の市場をどのように捉えていますか。

和田私どもがターゲットとするの は基幹系、ミッドレンジからハイエ ンドのルータ/スイッチ市場で、約 2300億円前後の市場と捉えています。 通信事業者各社がFTTHの展開やコ アネットワークのIP化を加速し始め たこともあり、私たちの狙う市場は 確実に伸びると思っています。特に 通信事業者向けハイエンドのルータ 市場、企業向けスイッチの市場は急 速に拡大すると思っています。

―当面の目標をどこに置いていますか。

和田ミッドレンジからハイエンドのルータ/スイッチ市場で、今年度は17%のシェア獲得を目指しています。

―目標実現に向け、海外ベンダーなど、競合他社への対抗策をお聞かせください。

和田私どもは、市場動向を踏まえ て先行的に高品質・高機能の製品を 適切な時期に市場に投入することに 注力していくことが重要であると考 えています。2社のエンジニアリン グリソースが集結したことで開発が 加速でき、より効率的に運営できる ようになりました。加えて、国産ベ ンダーならではのサービス・サポー ト体制が確立できました。こういっ た点を訴求していくことで、当面の 目標を達成したいと考えています。

企業ブランドの認知度向上と海外市場への進出が重点ポイント

―事業拡大の重点ポイントをお聞かせください。

和田重点ポイントとして2つあ げられます。まず一つは、アラクサラネットワークスという企業ブランド、AXという製品ブランドの認知度を高めることです。通信事業者の 方々や企業のシステム部門の方々に、ブランド名を浸透させることが重要であると考えています。もう一つは、グローバルな市場に打って出ることです。私どもは、ブロードバンド市場で事業を展開していますので、まずはブロードバンド先進国である日本国内でシェアを確保し、そのうえでブロードバンド化が加速しているアジアを中心に海外進出するシナリオを作ることが重要だと考えています。2005年度はグローバル展開の計画を綿密に練って取り組む方針です。この2つが事業拡大の大きな要因と捉えています。


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