NTT、Facebook等グローバルパートナーと連携し通信技術のオープンスタンダード化を促進

~データセンター間光伝送ネットワークのハードウェアとソフトウェア分離技術を共同開発~

日本電信電話 2018年10月16日

日本電信電話(以下、NTT)は、Facebook等が牽引する、テレコム分野のイノベーションを加速することを目指し2016年に発足した非営利組織「Telecom Infra Project」(以下、TIP)での活動を通じ、データセンター間光伝送ネットワークにおいて、ハードウェアとソフトウェアの分離を可能にするオープンソースソフトウェア「Transponder Abstraction Interface」(以下、TAI)をFacebook等とともに開発した。TAIにより、ハードウェア、ソフトウェアを個別に、最新技術の適用や継続的な性能改善を迅速に行うことができる。これらによって、NTTグループの提供するクラウドやNWサービスに加え、ユーザーのICTリソースを含めた構築・設定および管理・運用を、一元的に実施できる仕組みである「Cognitive Foundation®」への付加価値の向上を目指す。NTTは、この成果を2018年10月16日からロンドンで開催された「TIP summit 2018」にて動態展示した。

シリコンバレーに端を発した通信技術のオープン化に向けた取り組みは、ハードウェアとソフトウェアの分離を可能にすることによってネットワークオペレータの自由度を拡大するとともに、データセンター分野のハードウェアやソフトウェアのオープン化を加速することを目指して2011年に発足した非営利組織「Open Compute Project」(以下、OCP)やTIP等を通して新規企業参入を促し、通信機器に革新をもたらしている。2015年には、Microsoftが牽引してきたSwitch ASICの共通インタフェースである「Switch Abstraction Interface」がOCPに正式に採用され、転送分野におけるハードウェアとソフトウェアの分離が加速している。

光伝送分野でも、クラウドサービス事業者やテレコム事業者が多数参加しているTIPの「Open Optical Packet Transport」(以下、OOPT)プロジェクトグループにおいて、主にデータセンター間通信への適用を目指した、パケットスイッチと光伝送機能が一体となったホワイトボックスが提案されるなど、事業者の垣根や技術領域を超えた新たな試みが始まっている。

従来、データセンター間の光伝送ネットワーク装置の管理制御インタフェースには、ハードウェアベンダー各社が独自に定義した項目が多々含まれ、その複雑さがハードウェア・ソフトウェア分離の障壁になっていた。TAIとベンダー各社のソフトウェアライブラリを実現することによって、これらの違いや複雑さを隠蔽し、共通のソースコードで制御・管理が可能となる。ハードウェア、ソフトウェアを分離することで、個別に最適な最新技術の適用や継続的な性能改善を迅速に行い、サービスの要求の変化に対応することが容易になる。

NTTは2017年12月に最初のインタフェース仕様・アーキテクチャをTIPに提案し、2018年2月よりグローバルに活躍するNetwork Operating System(NOS)ベンダー、Original Design Manufacturing(ODM)ベンダー、トランシーバベンダー等と協力してFacebookと共にTAIの取り組みを牽引してきた。現在TAIライブラリ作成にはCumulus Networks、 IP Infusion、 富士通、 Edgecore Networks、 Oclaro、 富士通オプティカルコンポーネンツ、 Acacia Communicationsが参加・活動しており、NOS各社の商用ソフトウェアに実装されている。

図1 TAIによりハードウェアの違いを隠蔽

NTTは今回各社と共同で開発したTAIを、Switch Abstraction InterfaceやSONiC(Software for Open Networking in the Cloud)等のオープンソースソフトウェアと組み合わせてホワイトボックス上に実装し、TAIによってデータセンター間光伝送装置の制御ソフトウェアを短期間・低コストで実装できることを実証した。

詳細はNTTによるニュースリリースを参照

http://www.ntt.co.jp/news2018/1810/181016c.html