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ICTソリューション総合誌 月刊ビジネスコミュニケーション

ビジネスコミュニケーション
営業人材の育成戦略

最終回:育成の実践編

-コツをおさえて出来るだけ短期間に効果のある営業人材の育成とは-

これまで問題提起編、検討の前提編、商品タイプ別の人材育成編の3回にわたり、営業人材の育成の前提となる、営業人材とはどう考えるべきか、の考え方を紹介した。ただ営業人材の育成は、「言うは易し行うは難し」という声も多いため、最終回である今回は、実際に営業人材を育成する際に、どんな「コツ」を押さえて営業人材を確実に育成すべきか、弊社の考え方を述べたい。

育成方法に対する考え方の変化

企業研修や人材育成は、「砂漠に水(お金・時間の無駄)」など実際の現場のニーズに応えられていない、という声を受け、

  • 人事部主導から現場主導
  • 知識偏重から実戦重視
  • 既製からカスタマイズ
  • 集合形式から実地分散型

など、OJT(On the Job Training)やOff-JT(Off the Job Training)、e-Learningなどを組み合せて様々な工夫がなされてきている。しかし、商品の新陳代謝や競合の動向など、取り巻く環境がダイナミックにかつ素早く変化する中で、人の育成にそれ程時間をかけてられない、という悩みをどの企業も抱くようになってきた。人の行動の変化を起こし、実際の仕事で成果を生み出すことを育成のゴールとするなら、漫然と育成していても、行動の変化として現れるまでには長い時間を要する。

「自信」「向上心」そして「安心」が大切

一方で「コーチング」や「アクションラーニング」のような人の意識や行動に着目した現場での人材育成も出てきており、例えば日産自動車がそれらの新しい人材育成手法を取り入れ、現場改革で成功を収めたのは記憶に新しい。しかし、今回はHow to(手法)ではなく、それらの手法の効果を認めた上で成功に必要な「コツ」にフォーカスして述べたい。

結局、研修に時間(と金)をかけていられない中では、営業現場で自立的にスパイラルアップで人が成長することが求められる。そのために人材育成に求められる役割(図1)は、

  • 理論/実践両面からの知識/経験を蓄積させた「自信」
  • 目指すゴールを明確化し現状に満足しない「向上心」
  • 現場に帰っても疑問/SOSを放置しない「安心」

が持てる仕組みを、社員を中心として作り上げることだと考える。

図1 人材育成の果たすべき役割
図1 人材育成の果たすべき役割

営業人材の育成の7箇条

営業人材の育成には7つの重要成功要因(KSF)がある。

(1)他社や本のマネでない自社にあった営業の『型』の構築

他社のモノマネでなく自社の強み・弱みだけでなく、組織体制や風土まで踏まえた上で、自社の営業マンが実践可能な営業の“型”を構築することが重要である。ここでいう営業の“型”とは、一番売れる営業のベストな売り方を抽出し、それを誰でも出来るやり方に租借した上で、営業ツール、営業フロー、営業マニュアルに反映されたものを指す。

(2)早期の分かり易い見本(ロールモデル)作り

「あいつが出来たなら自分も出来る」、「あの人みたいに売れるようになりたい」…。結局どんな社員になればよいのか、それを早期に分かり易い見本として示すことは向上心への動機付けの上でも重要である。そのために、新しい営業の型で成果を上げた社員をきちんと表彰等で称え評価することが必要となる。

(3)成功体験の創出までの時間を短縮

営業では「自分でも営業の型を実践して売れた」という成功体験を誰でも一度経験すれば、それが新たな成功体験を生み出しまた売れるようになる。ただ営業の型を3回実践し成功体験を得られる人もいれば、10回やってもダメで、途中で自信をなくし諦めてしまう人もいる。そのため、いかに成功体験までの時間を短縮できるかが重要になり、そのためには最初は営業現場に同行し、一緒に実践しながら“強制ギブス”のように付きっ切りで教え込み、成功体験を創出するような取組みも必要となる。

(4)真の意味で“現場に合った実践的な研修”

営業の型を定着させる研修は、実際の現場で起こりうる内容を想定した実践的な研修でなければならない。ここで言う実践的な内容とは、例えば、顧客から断られるところから始まる応酬話法を学ぶなど、実際の営業現場でよく社員が困る状況とその対処法を学ぶことであり、すぐに現場で使えるということが重要である。

(5)管理者にコーチングの『型』

管理者の役割は、部下をコーチングし自信をつけさせ、やる気にさせることであるが、それを単に資質に任せた「心の通い合い」にするのでなく、管理者にもコーチングの型を構築し、例えば、部下が営業に行く前に一緒に顧客を分析し、訪問後は顧客から得られた情報から一緒にどう攻めるかを考えるなど、営業の要所で自分がどんな立ち振る舞いをすべきか、明確化することが必要である。

(6)育てたい人材にあった目標・KPIを設定

新しい営業の型で、営業人材の育成を図る場合、評価方法や管理指標(KPI)が従来のままではいけない。例えば、新規客を増やす人材を育成しているのに、既存客からの売上額が評価指標のままでは誰もそのような人材になりたがらない。社員には目的に直結したシンプルで明確な目標を設定してあげることが重要である。

(7)現場の成功事例、失敗事例の共有・利活用

営業の型は金科玉条のものではなく、一度作って終わりでなく、実際の現場の知恵を型に反映させ、磨き上げることが更なる成果を生み出すということを忘れてはならない。「ノウハウを全社で共有」とは言うものの、見落としがちなのは失敗事例で、実は失敗事例の中に受注へのヒントが多く隠されていることが多く、それをどう抽出するかが重要である。

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2012/08/23更新
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