NTT Com/CTC/ネットアップ
NetApp×Wasabi
NTT Com/CTC/ネットアップの協業により増え続けるデータの保管に伴う課題を解決
(2020年11月号掲載)国内のエンタープライズ向けNAS市場でトップシェアを誇るネットアップ合同会社(以下、ネットアップ)と、NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)、および伊藤忠テクノソリューションズ(以下、CTC)は協業により、増え続けるデータの保管に要するコストを低減するソリューションの提案を進めている。
(後列 左から)NTTコミュニケーションズ株式会社 ビジネスソリューション本部 ソリューションサービス部 デジタルソリューション部門 第六グループ 主査/シニアコンサルタント 市田 智広氏 同 原 明紀夫氏 前島 多恵子氏 髙田 直人氏 主査 光本 博竹氏
(前列左)伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 通信キャリアビジネス営業第1部 営業第1課 課長 加藤 良雄氏
(前列右)ネットアップ合同会社 ソリューション技術本部 NTTグループ担当 シニアソリューションズエンジニア 村山 岳史氏
無尽蔵に増え続けるデータの保管が企業の負担に
テレワークの拡大やIoT/AI/ビッグデータの活用、デジタルトランスフォーメーション(以下、DX)の推進などを背景に、企業のデータが増加の一途をたどっている。それに伴いストレージ機器やラックの増設と運用、セキュリティ対策などに要するコストも増え続けている。
解決策の1つとしてネットアップは自社のストレージシステム“NetApp”に“FabricPool”という機能を搭載している。アクセス頻度の高いホットデータはローカルの高速なFlashストレージへ保管する一方、一般に全データの8〜9割を占めアクセス頻度が低いコールドデータはクラウドストレージへ振り分けるというものだ。データ容量拡大に伴うラック拡張を低減できるほかデータの増減に対応しやすい。
ところがクラウドストレージサービスの利用コストがネックとなり充分なメリットを得られない、またセキュリティの観点からクラウドでのデータ保管に抵抗があるといった理由でFabricPoolを有効活用しづらいケースもある。
課題を解決する“NetApp×Wasabiソリューション”
このような背景からネットアップ、NTT Com、CTCとの協業により展開してるのが、コールドデータの保管にクラウド型オブジェクトストレージサービス“Wasabi”を活用する“NetApp×Wasabiソリューション”(以下、本ソリューション)だ。
NTT Comは“NetApp Japan Partner Award 2020”においてクラウド領域でネットアップのビジネスに最も貢献したパートナー企業に贈られる“Best Cloud Service Award”を受賞するなど、ネットアップと密接な協力関係にある。またWasabiについては自社のエンタープライズ向けクラウドサービス“Enterprise Cloud”のサービスメニューとして提供している※。
Wasabiはデータ保管料が他社サービスの約1/3、データ転送料は無料と圧倒的なコストメリットを誇るため、NetApp製品のFabricPoolとの親和性が高く、ユーザー企業が得られる恩恵も大きい。
「データ量が多い企業ほどコストメリットが大きく、特にファイルサーバーへの適用は好評です。多くのお客様から引き合いをいただき複数案件で受注済みです。一部はすでに構築に入っています。」(市田氏)
NTT Comのデータプラットフォームと連携し多様なニーズに対応
NTT Comはデータセンター(以下、DC)や各種ネットワークなど、データ利活用に必要なあらゆるサービスを備えたプラットフォーム“Smart Data Platform”(以下、SDPF)をビジネスの重要な柱としている。このSDPFとの連携も本ソリューションの大きな特長となっている。前述のEnterprise CloudやWasabiはもちろん、SDPFの中核を成すFlexible InterConnect(以下、FIC)との連携することにより、閉域ネットワークを使いDCやWasabiをはじめとする多様なクラウドサービスと簡単かつセキュアに接続できる。そのためクラウドへのデータ保管に不安を感じていた企業もFabricPoolを活用しやすい。ファイルサーバーだけでなくさまざまなユースケースへの適用が可能だ。
「ファイルサーバー、仮想化基盤、データベース等の幅広い環境を対象に出来るだけでなく、バックアップデータとクラウド環境をNTT Comのサービスでセキュアに接続する事で、データ分析や開発環境といったビジネス的な応用も可能です。少し大袈裟かもしれませんが、これまで保険的に検討されてきたバックアップに革命を起こせるのでは、と期待しています。」(村山氏)
またNTT Comは2020年2月、自社DCを活用しAPACでは初となるWasabiリージョンを東京に開設した。このDCでNetApp製品を運用し、閉域網でセキュアかつ高速にデータ連携することも可能だ。メインサイトの運用にも適するため、バックアップサイトに加えメインサイトも含めたコスト削減が可能になる。
CTCが構築/保守/サポートを支援
ネットアップの国内代理店シェアNo.1であるCTCは、米国NetApp社が設立された翌年からNetApp製品を取り扱っており、リセラー最上位の“NetApp Star Partner”、また“Partner of the Year”、“Support Partner of the Year”などの受賞歴がある。
NetApp製品の導入・販売に関する豊富な実績とノウハウを強みに、本ソリューションに関してもインテグレーションパートナーとしてネットアップ、NTT Comと協業しており、特に保守やサポートの面でソリューション提供を支えている。
※本誌2019年12月号特集記事
「オブジェクトストレージサービスWasabi」参照
https://www.bcm.co.jp/site/2019/12/ntt-com/1912-ntt-com-01-04.pdf