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ICTソリューション総合誌 月刊ビジネスコミュニケーション

ビジネスコミュニケーション

ネットワークとITを融合するCSF
“Software-Powered Services Network”の根幹を成す Microsoft Connected Services Framework

“Software-Powered Services Network”の基盤となるCSF

図1 (クリックで拡大)
図1 Microsoft Connected Services Framework(クリックで拡大)

マイクロソフトが提唱する“Software-Powered Services Network”は、ネットワーク側からのシームレス化のアプローチに加え、アプリケーションサービス側からのアプローチを組み合わせることで、よりシームレスな環境の実現と魅力的なサービスの提供が可能になるとする、理想の通信事業者像だ。このコンセプトの中でも特に重要な役割を果たすのがConnected Services Framework(CSF)である。

マイクロソフトはCSFを「SOAに基づき、複数のネットワークやデバイスに跨るブレンドサービスを構築、管理するためのサーバー製品」と説明している。つまり、アプリケーションサービスやOSS/BSSはもちろん、ネットワークをもSOAにおける「サービス」の一つとして捉え、連携・統合することが可能である。

CSFの存在意義

それでは何故、アプリケーションサービス側からのアプローチも必要だというのだろうか?たとえば次のような例を考えてみよう。ユーザーの中には、お気に入りのチームがゴールを決めたときにテキスト メッセージを受信し、モバイル デバイスでゴールの瞬間のビデオ クリップを見たいと思っている人もいる。また、別のユーザーは、買いたい商品のオンライン価格をモバイル デバイスから確認し、手頃な価格だったらモバイル デバイスを使用してすぐに商品を注文したいと思っている。このような需要に応えていくためには、新しいサービスを作成したり、サード パーティのサービスを使用したり、複数のサービスをまとめて複合サービス パッケージにバンドルする必要がある。しかし多くの場合、既存のネットワークやバックエンド システムには、個々のアプリケーションやサービスが混在しているため、それらを相互に接続したり、サード パーティ システムと接続したりすることは容易ではない。また、これらはNGNというネットワークが完成したからといって実現されるものではない。つまり、アプリケーションサービス側の接続性の問題であり、これが既存のサービスをバンドルして新しい複合サービスを作成することを、困難でコストがかかるものにしている。

CSFが提供する機能

Microsoft Connected Services Frameworkは、新サービスの作成や、サード パーティサービスの利用、既存のサービスを組み合わせた複合サービスの作成など、費用効果に優れ、柔軟性のあるサービス提供環境を通信事業者に提供する。

これらの基礎となる、CSFの6つの代表的機能について以下に記す。

図2 Connected Services Framework の主要コンポーネント
図2 Connected Services Framework の主要コンポーネント

(1)セッション管理

作成、運用、停止などのコンテキストのセッションを処理する。CSF 内の“セッション”は、構成可能なアプリケーションやサービスを実現するすべてのコラボレーション環境の基礎を形成する。

(2)サービス カタログ

CSF環境内で使用可能なサービスの登録、検索、技術説明を処理するディレクトリ。CSF内で使用可能なすべてのサービスの一覧が含まれており、保護可能なサービスにアクセスするための認証を提供。例として、事業者が、内部開発者に対してはコア ネットワーク サービスへのアクセスを有効にし、すべての外部開発者に対してはアクセスを無効にすることが可能。

(3)ID 管理

サービスのコラボレーション間の仲介 ID、シングル サインオン コンポーネント、およびCSF環境内のユーザーのライフサイクルを管理するツールを処理する大きな機能のブロックである。

(4)プロファイル管理

各サービスが利用する、プロファイル情報の仮想ビューを作成するための情報を保持。各サービス内では、それぞれに「ブランド化」されたユーザー プロファイルを生成する。たとえば、オンライン販売業者は、オンライン購入サービスの配送に関連するユーザーの一連のプロファイル情報を保持する。この情報へのポインタをプロファイル管理ブロックに含めることで、別のサービスにおける配送でも仮想ビューとして再利用することが可能となる。

(5)サービス ロジック及びオーケストレーション

スケジューリング及びフロー化された動作の定義を提供するテンプレートとSDK。これらのテンプレートは、サービスの設計時、開発者によって使用される。

(6)リソース管理

各サービスまたは複合アプリケーション内に記述されている、リソースの使用に関する処理を行う。CSF内のランタイム コンポーネントによって実行されるサービスの、品質の特徴を定義することが可能。たとえば、このコンポーネントによって、リソースの予約と制限が可能となる。

これら機能がネットワークのコンバージョンと協調することにより、プロトコル、ネットワーク、コンテンツに依存しない“次世代”ネットワークとアプリケーションの提供を可能にする、オープンで拡張性のあるサービス提供環境を実現する。


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