NTTグループとEnterpriseDB社が、オープンソースデータベースPostgreSQLの機能拡張と普及促進で包括的パートナーシップを締結
NTT
NTTと企業向けオープンソースデータベース分野のリーディングカンパ ニーである米国EnterpriseDB社は、NTTの100%子会社であるNTTインベストメント・パートナーズ(以下、NTT-IP)からEnterpriseDBへの出資を含む、包括的なパートナーシップについて合意した。NTTと EnterpriseDBは、オープンソースデータベースPostgreSQL及びその関連技術を対象に、① 大規模な分散データベース環境を実現できるレベルにまで拡張性や可用性を向上させる機能開発、② NTT事業会社や一般企業ユーザーへの普及促進で協業する。これにより、今後、より高信頼性が求められる企業システムへのPostgreSQL導入を促進するだけでなく、将来的にはSasS事業者向けサービス基盤などを収容するデータセンタのデータベース環境としても利用されることを目指す。
パートナーシップの目的/活動内容
①大規模な分散データベース環境の実現を目指した協業
PostgreSQL開発コミュニティへの貢献活動などを通した機能開発で連携を強化。第1弾として、高可用なデータベース管理システムの実現のためのキー技術である同期レプリケーション技術を改良し、コミュニティへ共同で提案する。本技術はもともとNTTオープンソースソフトウェアセンタがPostgreSQLの機能強化のために試作したもの。さらに補完する技術としてEnterpriseDBが開発しオープンソースとして公開しているPostgreSQL向けの並列処理技術GridSQLを改良し、同期レプリケーション技術と組み合わせて大規模な分散データベース環境を実現するための検討及び開発に共同で取り組む予定。
②NTT事業会社や一般企業ユーザーへの普及促進を目指した協業
機能向上させたPostgreSQL及びその関連技術を一般企業ユーザーもより便利に使えるよう、普及促進に取り組む。まず、同期レプリケーション技術を応用して、一般企業ユーザーがPostgreSQLを利用した高信頼な企業システムを容易に構築するためのソリューションパッケージングを、共同で検討および開発する。この成果は、EnterpriseDBのPostgres Plus製品シリーズに組み込んでリリースされる予定。さらにNTT事業会社の運用支援システムなどへのPostgreSQL導入に共同で取り組み、そこで蓄積されるノウハウも活用して、NTTはNTTグループ企業を通して一般企業ユーザーがPostgreSQL及びその関連技術を導入するための各種サポートを行う。
出資パートナーへの参画について
これらの協業活動のベースとなるNTTグループとEnterpriseDBとの信頼関係をより強固にするために、NTT-IPは同社が運営するファンド(NTTインベストメント・パートナーズファンド投資事業組合)を通じてEnterpriseDBの出資パートナーに参画した。
今回のパートナーシップ締結に関し、NTTの宇治則孝代表取締役副社長は、次のようにコメントしている。
「NTTはグループをあげて“コスト削減効果”や“自力でシステムの故障解析がしやすい”などのメリットのあるオープンソースソフトウェアを推進してい ます。これらのメリットを活かして、今後はSaaS事業者向けサービス基盤など新しい分野への適用も目指します。そのために世界的にも最先端のPostgreSQL技術者集団であるEnterpriseDBとパートナーになることでPostgreSQLの機能開発やコミュニティへの貢献を加速でき、ひいてはオープンソースソフトウェアの日本市場への普及促進につながると考えています。」
NEWS(2008年11月)
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