「AI・データの民主化」とは?

DX(デジタルトランスフォーメーション)によるビジネス変革に対する期待の高まりとともに、AI・データを活用したビジネス創発に注目が集まっている。工場や製品に取り付けたセンサーログやコールセンターの応対内容、商品の購入履歴など日々大量の情報が生まれるとともに、AI・IoTテクノロジーも加速度的に進歩しており、企業は飛躍的なスピードで、データから得たインサイトをビジネスに適用し、効果を創出することが求められている。

そのような事業環境において、従来は高度なスキルを有するデータサイエンティストが行ってきたAI・データ活用の取り組みを、より一般のビジネスパーソンに開放する取り組みが進んでいる。社内のさまざまな部門で、多様な業務に従事するビジネスパーソン自らが、能動的にAI・データの活用を行い、業務の効率化・高度化を図る「AI・データの民主化」が多くの企業で標榜されている。

NTTデータ AI&IoT事業部では、かねてより、データサイエンスに関する専門知識を持たないビジネスパーソンに対して、データの分析作業や意思決定・判断を支援する多様な製品・テクノロジーを提供してきた。機械学習自動化プラットフォーム「DataRobot」をはじめ、直近では2019年7月に、AIへの質問形式でデータからのインサイト導出を可能とする「ThoughtSpot」の提供を開始している。

「AI・データの民主化」実現によるユーザ体験

大量のデータから目的に即したデータを抽出して、ビジネスに利活用するにあたっては、「データ探索・理解」「データ加工・前処理」「データ分析」等のプロセスが存在するが、その実行にあたっては、「業務」「IT」「データサイエンス」と多様なスキルが必要となるため、複数の部門や人格をまたがる運用となることが一般的であった。結果、1つの分析テーマの実行に多くの時間と労力を必要とする等の課題・障壁が存在していた。

「AI・データの民主化」では、ビジネスパーソン自らが、AI・データ活用の各プロセスを一人称で横断的に実行し、業務の効率化・高度化を実現する。また、直感的な分析を可能とする使い勝手の良いUI、分析精度の向上やインサイト導出等を強力に支援するAIテクノロジー群を最大限に活用することで、データを起点とした新しい価値・サービスの創出や意思決定・判断の高度化を可能とすることも特徴の1つである。

図1 「AI・データの民主化」実現によるユーザ体験

「AI・データの民主化」を促進するプラットフォーム

AI&IoT事業部では、AI・データの民主化へと歩みを進めるためのベストプラクティスとしてクラウド型データ分析基盤ソリューション「Trusted Data FoundationTM」を提供している。データを起点とした意思決定、ビジネス変革を実現すべく、リファレンスアーキテクチャに基づくオールインワンな環境を用意。「DataRobot」、「Informatica」、「Tableau」、「ThoughtSpot」等、さまざまなソリューションパートナーとのエコシステムを形成しており、BI/機械学習/画像解析等の分析テーマに応じて豊富な選択肢から最適なツールを組み入れて提供する。お客様のニーズに対応した2つのラインナップを用意し、コンサルティングから環境構築・運用、データの活用支援まで、ワンストップでお客様の課題解決に向けてサポートしている。

(1)ソリューションベースドSI

NTT データの豊富な実績やノウハウを雛形として、企業の個別要件に最適化(カスタマイズ)して提供するサービス。FISC 安全対策基準に準拠した、個人情報が含まれていても安心の高セキュリティ環境となっている。

異なるミッションを持つ複数部門の利用者が、個々に、自由に、さまざまな分析が行えるように、データ・環境へのアクセス制御を行い、ガバナンスを確保。高度なデータ利活用スキルを持たない利用者でも、セルフサービス型でデータの探索、加工・前処理、分析を行うことのできる機能を提供する。

全社的にデータ活用高度化を推進すべく、全社のデータを一元的に集約管理し、複数のユーザー部門で自由にデータ利活用可能な高セキュア(FISCにも準拠)な環境をAWSやAzureなどのクラウドサービス上に用意したい、といった金融系企業のお客様を中心に多数、導入されている。

図2 AI・データの民主化を促進するプラットフォーム「Trusted Data FoundationTM

(2)アナリティクス・マネージドサービス

スモールスタートでデータ利活用による効果を確認し、試行錯誤しながら育てたいというニーズに対応するNTT データ規定のSLA(Service Level Agreement)に基づいたデータ分析基盤サービス。

NTT データのアセットを基にシンプルで使いやすい環境を最短5営業日以内で利用開始できるため、プロジェクトの早期立ち上げ、新たなテクノロジーやクラウドネイティブサービスを活用した迅速なビジネス検証を可能とする。また、マネージドサービスとしての提供により、システムの運用保守から解放され、業務効果創出に専念できる。

まずは、個別プロジェクトを早期にスモールスタートさせ、徐々に機能改善、拡充を図りながら分析組織とあわせて成長させていきたい、といった事業会社を中心に多数の導入実績がある。

次回はクラウドネイティブ・ビジネスコラボレーションプラットフォームである「iQuattro®」について紹介する。

〈問い合わせ先〉

【AI&IoT事業部】

Mail: aiiotmarketing@kits.nttdata.co.jp

URL:https://enterprise-aiiot.nttdata.com/top/

【Trusted Data FoundationTM

Mail: tdf@kits.nttdata.co.jp (後藤・赤松)

URL:https://enterprise-aiiot.nttdata.com/tdf/com/top/