情報通信・データセンター用大容量リチウムイオン電池を共同開発
-世界初、200Ah級セルで難燃化・長寿命化技術を確立-NTTファシリティーズ/新神戸電機
リチウムイオン電池の外観
NTTファシリティーズと新神戸電機は、共同でIT装置バックアップ向け大容量リチウムイオン電池を開発した。課題であった難燃化と長寿命化を実現した、据置形フロート仕様*1リチウムイオン電池である。開発品は鉛蓄電池に比べ設置した時の体積および重量が約60%減となり、省スペース化に大きく貢献する。
開発の背景
NTTファシリティーズは、100年以上にわたって日本の電気通信の歩みをIT、エネルギー、建築の融合技術でサポートしてきた総合エンジニアリング・サービス会社である。建築設計監理や建物維持管理、および電力設備設計業務等以外に、NTTグループをはじめデータセンター、放送局、金融業など、多くのユーザーの電源システムや鉛蓄電池等の監視・保守業務に携わっている。また、共同開発を進める上で、NTTファシリティーズのグループ会社であるNTTファシリティーズ総合研究所がリチウムイオン電池の知見を有しており、難燃化および安全性評価を行っている。
NTTファシリティーズは常に最先端の技術を注視しており、リチウムイオン電池の定置用途での導入の必要性を検討していた。
新神戸電機は、1992年のNEDO技術開発機構の事業への参加から大型リチウムイオン電池の開発に着手していた。そして、自動車向け用途で2000年よりリチウムイオン電池を事業化し、2004年からは日立グループのリチウムイオン電池製造合弁会社である日立ビークルエナジーへの参画を通じて開発に注力してきた。
今回、NTTファシリティーズが有する電源システムの保守運用実績および知見と、新神戸電機の蓄電池技術を融合し、フロート仕様リチウムイオン電池開発を共同で実施した。
開発の内容
大容量フロート仕様リチウムイオン電池を実現する上でキーとなる難燃化および長寿命化技術を確立した。
(1)難燃化
据置形フロート仕様は、常にエネルギーをフルに蓄えた満充電状態で使用され、多数の大容量の電池を室内で使用することから、難燃化が最重要課題となっている。今回、難燃添加剤を加えても寿命に影響を与えない電解液を開発した。この電解液によって、難燃規格であるUL94-V0*2相当を達成した。さらに難燃薄膜層形成技術の確立により、難燃電極を開発した。
これらの電解液と電極により、電池温度が上昇し続けた場合でも、電極の燃焼抑制効果および熱暴走抑制効果を確認することができた。
(2)長寿命化
IT装置の寿命は10年程度と考えられるので、据置形フロート仕様は電池のメンテナンス時に負荷に影響をおよぼすリスクを避けるためには、10年以上の寿命が望ましいと言える。従来のリチウムイオン電池は充放電を繰返すサイクルでの使用が多く、充電を長期間継続するフロート仕様での寿命の検討が不充分だったが、電池の劣化メカニズムを詳細に解析し改良を加えたことにより、従来は3年程度だった寿命を、10年に延伸できるようになった。
【用語解説】
- *1 フロート仕様
- 常時充電し停電時にバックアップする使い方。
- *2 UL94-V0
- 米Underwriters Laboratories Inc.が定めた、樹脂の難燃性を規定する材料、製品の安全規格で、「V0」は炎を離した後10秒以内で自己消火性を有することを示す。蓄電池は難燃規格がないために樹脂の規格を援用して評価した。
お問い合わせ先
株式会社NTTファシリティーズ総務部 広報室 TEL:03-5444-5112 新神戸電機株式会社
CSR・コーポレート本部
TEL:03-6811-2360
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