NTT-AT、世界で初めてOpenStack環境におけるFPGA回路のリソース管理を動作実証
~高速なNFV仮想化環境の実現へ~
NTTアドバンステクノロジ(以下、NTT-AT)は2018年9月20日、オープンソースのクラウド基盤であるOpenStack環境におけるFPGA(Field Programmable Gate Array)回路のリソース管理を世界で初めて動作実証したと発表した。同社では本技術により、今後、OpenStackからFPGAのプログラム管理ができるようになるため、設計者が手元で変更を行いながら理論回路をプログラミングできるFPGA等のアクセラレータの仮想化環境への適用が加速され、より高度な仮想化環境の実現が期待できるとしている。
NTT-ATが今回の動作実証を行った背景として、NFV(Network Functions Virtualization)等の仮想環境において、FPGA等のアクセラレータを用いた高速化技術の適用の検討が進んできたことに加えて、仮想化環境の管理にはOpenStackの導入が進んでおりOpenStackによるFPGA等のアクセラレータのライフサイクル管理を行うコンポーネント「OpenStack Cyborg」が、米国時間2018年8月30日に正式リリースされたOpenStackの最新バージョン「Rocky」で提供されるなど、仮想化環境へのアクセラレータの導入が身近になっていることがあげられる。
このような状況から、NTT-ATでは、FPGA等の重要性に着目し、OPAE(Open Programmable Acceleration Engine)対応FPGAボードを用いたライフサイクル管理をCyborgにより実現できることの動作実証を行い、FPGAのプログラム管理ができることを確認したもの。この動作実証は、世界初という。
今回の動作実証の概要図と主な特徴を以下に示す。
・OpenStack公式コンポーネントでFPGAを管理
⇒OpenStack Rocky+OPAE対応FPGAボードでの世界初の動作実証
・OPAEによるFPGA共通制御インタフェースの実現
⇒OpenStackからFPGAリソースを認識
・NFVアクセラレーション・マネジメント基盤として
⇒通信キャリア AFaaS/FPGAaaSで活用
・将来的にFPGA回路を「VM化」
⇒VMイメージのようにFPGA回路を管理するアーキテクチャ
OpenStackでのFPGA回路のリソース管理は、FPGA回路をVMと同じように管理できるため、FPGAのソフトウェア化が加速し、仮想環境で簡単に利用できるようになっていくと推測される。NTT-ATでは今後、本技術を用いて仮想化環境へのアクセラレータ導入を加速するとともに、アクセラレータを用いたアプリケーション開発から、OpenStackを用いた仮想化環境プラットフォームの構築までを積極的に行っていくとしている。
詳細はNTT-ATによるニュースリリースを参照
http://www.ntt-at.co.jp/news/2018/detail/release180920.html