NTTコムウェア、画像認識AI「Deeptector®」に正例判定型などの新機能を追加

~少量の良品画像データの学習により不良品の検出が容易に可能に~

NTTコムウェア 2018年9月27日

NTTコムウェアは2018年9月27日、同社が提供している画像認識AIサービス「Deeptector」(https://www.nttcom.co.jp/smartcloud/ai/deeptector/)の新機能として「正例判定型」および「学習済みモデルのポータビリティ」を10月1日より提供開始しすると発表した。また同時に、オンプレミス(インストール)型とクラウド型の間で、学習済みモデルを共通して利用できる新機能も提供するという。

従来、Deeptectorによる画像認識の判定パターンとしては、「検出型」「分類型」「レベル判定型」を提供しており、ユーザーが要件に適した判定パターンを選択し、必要に応じて複数の判定パターンを組み合わせて利用している。しかし一方で、日本の製造業界においては、製品品質は高く、不良品の発生頻度が低いため、負例(異常状態、不良品)画像を大量に学習することが必要となる従来のAIでは、十分な学習用画像を収集するのに時間を要し、AI導入への課題となっていたという。

今回、新たに追加された判定パターンの「正例判定型」では、少量の正例(正常状態、良品)画像を学習することにより負例の判定が可能になるので、これまでより迅速かつ簡単に画像認識AIを利用できるようになった。これにより、不良品画像の蓄積が少量のケース、不良品の発生率が低いケース、同一の生産設備で多品種小ロットを製造するケースなどでは特に有効になると説明している。

図1 「正例判定型」イメージ(飲料キャップの不良品検知の例)

また従来のDeeptectorでは、クラウド版とインストール版の間で学習済みモデルの互換性がなかったが、「学習済みモデルのポータビリティ」機能を提供することで、同一の学習済みモデルをクラウド版・インストール版の双方で利用可能にした。

図2 「学習済みモデルのポータビリティ」イメージ

これにより、ハイエンドGPUを備えたクラウド版環境で生成した学習済みモデルが、ユーザー企業のサーバー上で動作するインストール版環境でも利用できるようになるため、学習済みモデルの更新頻度の高いケースでは、AI導入後の再学習時間を大幅に短縮できるという。図2に示すように、同一の学習済みモデルを、全国各地の工場に設置したGPUサーバー上で利用するケースなどで有効と説明している。