NTT西日本がAIを活用した道路路面診断サービスのトライアルを実施

ICTによる道路メンテナンスサイクルの効率化をめざして

NTT西日本 2017年11月13日

NTT西日本は2017年11月13日、効率的な道路メンテナンスサイクルの確立に向けてAIを活用した道路路面診断サービスのトライアルを実施すると発表した。NTT西日本とICT連携協定を締結している堺市の道路においてサービスの有用性を検証し、早期の商用化を目指す。

高度成長期に集中的に整備された舗装道路の建設後40年以上が経過し、老朽化が進んでいるため、適切なメンテナンスの必要性が高まっていることが背景にある。しかし広範囲な道路の点検や診断にはコスト、労力がかかることが課題となっている。

AIを活用して安価かつ効率的な道路路面診断を実現することにより、道路維持管理の課題解決に貢献することが、トライアルを実施するNTT西日本の狙いだ。将来的には幅広い道路インフラの維持管理効率化に貢献するサービスの開発を目指すとしている。

トライアルの概要

AIを活用し、道路路面性状に関する「データ収集」「データ解析・診断」「解析・診断結果の視える化」をワンストップで実施する。これにより、従来の高価な機材や専用車両を用いた手法に対するコスト優位性、および道路パトロールによる目視点検に対する効率化を検証する。

2017年11月~12月末の間、堺市内の生活道路、約200kmにおいて実施する予定だ。

サービス概要

データ収集

道路路面性状を解析・診断するためのデータ収集は、市販のビデオカメラとスマートフォンを一般車両に設置し走行することにより行う。

データ解析・診断

収集したデータをNTTグループが有する高度なフィルタリング技術やAIを活用して解析し、路面点検における主要な指標である「平たん性(乗り心地IRI※1)」「ひび割れ※2」「わだち掘れ※3」に準拠する値を算出する。

  • ※1 IRI(International Roughness Index:国際ラフネス指数)は舗装の平たん性(乗り心地)を客観的に評価する尺度。
  • ※2 ひび割れの検出にはエヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社の「Deep Learning画像認識プラットフォーム(Deeptector®)」を活用する。
  • ※3 わだち掘れとは道路走行部分に縦断方向に連続して生じた凸凹。本トライアルでは、AIを活用したわだち掘れ検出・解析技術の開発および性能向上に取り組む。

解析・診断結果の見える化

解析・診断結果はWeb地図上にマッピングすることにより、損傷状況の把握、異常箇所の特定を容易にする。またWeb地図上に表示されたアイコンをクリックすると、路面画像が表示され「ひび割れ」等の状況を確認できるようにする。

ライフサイクルコスト算定のシミュレーション

さらに、診断結果を活用し、予防保全対策を考慮した最適な修繕計画策定をサポートする。

 

NTT西日本によるニュースリリース
http://www.ntt-west.co.jp/news/1711/171113a.html