NTTドコモ、AI技術により商品棚の陳列状況をリアルタイム分析できる画像認識エンジンを開発

NTTドコモ 2018年3月01日

NTTドコモ(以下、ドコモ)は3月1日、スーパーやコンビニ等の小売店で商品棚をスマートフォン等で撮影することでリアルタイムに商品の陳列状況を分析できる商品棚画像認識エンジンを開発したと発表した。

このエンジンは、ドコモのAI技術を活用した画像認識エンジンで、複数の商品が写った画像から個々の物体の位置を98%以上の精度で検出できる「物体検出」と、検出した物体を画像データベースと照合させ、どの商品に該当するかを95%以上の精度で特定し認識する「特定物体認識」の2つの技術で構成されている。

従来の画像認識技術を搭載した商品棚分析端末では、高精度に商品を認識するためには、商品が正面を向いていること、前列に陳列されていることなど撮影条件が課題となっていた。一方、新開発のエンジンは、商品の向きや陳列位置に撮影条件がなく、陳列スペースが狭く商品を詰めて陳列する場合でも商品位置の特定が可能だ。また、市場に流通する数百万種類の商品の認識に対応し、たとえ新商品であってもデータベース登録を行えば、直ちに認識することができる。

ドコモのAI技術を活用した画像認識は、複数の商品が写った写真から個々の物体の位置を検出する“物体検出”と、検出した物体を画像データベースと照合させどの商品に該当するかを特定し認識する“特定物体認識”の2つの技術を活用することで、陳列商品の状況(商品の重なり、商品の向きなど)に依存することなく、正しく検出することができる。

ドコモのAI技術を活用した画像認識エンジンの特徴

ドコモでは、商品メーカーが売上の要因分析をするために店舗棚割の実態を把握することは重要であるが、現在はラウンダー(店舗巡回担当者)が手作業で棚割をデータ化するため手間や時間がかかっている。しかし、この画像認識エンジンを活用することで、入力ミスの減少によりラウンダーの生産性が向上され、作業時間の大幅な削減に寄与できるとしている。

なお、同エンジンを用いたファーストユーザーであるサイバーリンクスが、同社のAI技術を活用した画像認識エンジンと、サイバーリンクスの商品画像データベースを組み合わせたサービス「棚SCAN-AI」を4月2日から提供する。棚SCAN-AIでは、スマートフォンなどで売場(商品陳列棚)を撮影した画像から商品情報や陳列位置情報を判別して、店頭陳列(棚割)をデータ化。店頭分析をしたり、棚割システムと連携したりできるという。