NTTデータ/NTTデータ先端技術

Hinemosを活用したハイブリッドクラウド環境での統合運用管理

ハイブリッドクラウド環境に対応したシームレスな統合運用管理を実現してクラウドや仮想化のメリットを最大化

(2017年10月号掲載)

NTTデータが2005年からOSS(オープンソースソフトウェア)として公開した「Hinemos®」は、エンタープライズシステムの運用管理に必要な幅広い機能を備えた統合運用管理ソフトウェアです。
NTTデータ先端技術は、従来の物理環境に加え、クラウドサービスや仮想化環境が混在するハイブリッドクラウド環境でのHinemosを利用した統合運用管理を展開しています。

さまざまな環境での運用に対応した機能を用意

Hinemosは、統合運用管理に必要な基本機能(収集・蓄積、監視・性能、自動化)と、これを支える共通基本機能(リポジトリ、カンレンダ、通知、アカウント)をワンパッケージで提供し、システムの安定運用に必要な「監視」「ジョブ」といった「運用業務の自動化」を実現する統合運用管理ソフトウェアです。さまざまな環境での運用に対応した各種オプション機能を用意しています。

エンタープライズ機能

大規模・複雑化が進むエンタープライズシステム(商用システム)を効率的に運用するための機能です。ジョブフローの可視化(ジョブマップ機能)、監視対象を2 次元マップで表示(ノードマップ機能)、監視結果やジョブ実行状況をレポート配信(レポーティング機能)、Excelによる設定内容の一括入出力(Excelインポート・エクスポート機能)などを通じてシステムの「見える化」と「運用の容易化」を実現します。

ミッションクリティカル機能

24時間365日、無停止で動作することが要求されるミッションクリティカルシステムの運用をサポートするための機能です。Hinemosマネージャの冗長化により、障がいが発生しても自動で運用を継続したり、システムを止めずに障がい復旧を行うなど、運用管理業務の信頼性を向上します。

クラウド管理・VM管理機能

AWS、Azure、VMware、Hyper-Vなどの環境上に構築されたシステムのクラウド・仮想化ならではの運用を、運用者の負荷を抑えて実現するための機能です。ハードウェア・OS・アプリケーションのシステム監視やジョブ管理といったHinemosの基本機能に、クラウド・仮想化環境専用の運用機能を追加することができます。

「プロセッサ数」に依存しない費用体系を採用
各環境に対応したシームレスな統合運用管理を実現

Hinemos の普及・拡大を進めているNTT データ先端技術は、Hinemos を活用したハイブリッドクラウド環境での統合運用管理を提案しています。

異なるレイヤのクラウドサービスを組み合わせたハイブリッドクラウドでは、プライベートクラウドを基礎基盤とし、用途に応じてパブリッククラウドと連携させていく組み合わせが多くあります。そこでのパブリッククラウドの利用用途は、バックアップ・アーカイブ先、DR(ディザスタリカバリ)環境、開発環境、本番環境などさまざま。このようなハイブリッドクラウド環境で運用管理を行う場合は、次の2 つの要件が重要になります。

①俯瞰的な管理ができること

各クラウド個別の製品・サービスを導入しての運用管理は、エンジニアの習得や日々のオペレーションなど、さまざまなシーンで運用コストが増大します。

②マルチインフラでの動作サポート/費用

対象環境で運用製品のマネージャやエージェントが動作することは最低限の要件です。商用製品の場合は、特に可用性やライセンス費用も含めた確認が必要です。

プライベートクラウドのみの運用を行い、順次パブリッククラウドを活用していく場合も、この2 つの要件を満たすことが重要です。NTT データ先端技術は、Hinemos による統合運用管理でこの要件を満たします。

Hinemos は、単一画面で仮想化やクラウドなどを組み合わせたハイブリッド環境を俯瞰的に管理します。クラウドについては、動的に変更するインフラ運用を吸収し、オンプレミス環境と同一のイメージで運用を行います(図1 参照)。

図1 単一画面でハイブリッドクラウド環境を俯瞰的に管理

 

さらに、各クラウドサービスやハイパーバイザ上で動作し運用管理を行えるので、その環境にHinemos マネージャを構築する必要がありません。これまで、クラウドサービスでは、Amazon Web Services、Microsoft Azure、IBM Bluemix、Oracle Cloud、Google Cloud Platform、IIJ GIO、NIFTY Cloud など、ハイパーバイザでは、VMware、Hyper-V、Xen, KVM などでの動作を確認しています。これにより、VMware 環境上のHinemos からAWS の運用管理を行えます。

プロセッサ(コア)数に依存しない費用体系を採用していることもHinemos の大きな特長です。主な商用のジョブ管理製品は、プロセッサ数に応じてライセンス費用を決める費用体系(プロセッサライセンス)を採用しています。そのため、CPU コア数等の規模が大きくなると費用が増大し、仮想マシンのCPU 数変更も費用に影響してくるので、リソース変更を柔軟にできる仮想環境のメリットを享受できなくなります。一方Hinemos は、プロセッサ数に依存しない費用体系を採用しているので、最適なライセンス費用を実現できます。

vRealize Operations Managerと連携した統合監視やOracle DatabaseのDR運用自動化も可能に

NTT データ先端技術では、Hinemos を活用したVMwareやOracle Cloud で構築したハイブリッドクラウド環境の統合運用管理も提案しています。

各リソースの利用状況やボトルネックの監視、将来的なリスク報告や回避策の提案などを行うVMware の統合監視ツールvRealize Operations Manager とHinemos が連携することで監視を自動化し、仮想環境全体の正常性を確認します。同時に、異常が発生した仮想マシンの状況や仮想マシン間の関係性を可視化して、障がいの影響範囲や必要な対策等を迅速に把握します(図2 参照)。

図2 VMware vRealize Operations Manager とのシームレスな連携が可能

 

また、必要な時だけリソースを利用できるOracle Cloud の特長を活かして、費用対効果の高いDR サイトの構築を提案しています。例えば、Oracle Database のデータを保護するOracle Data Guard の切替機能と状態監視機能をHinemosに統合することで、障がい発生時にはHinemos からDR 環境の起動ワークフロー制御を行えるようになります。

Hinemos の利用実績(2017 年3 月時点)は、ダウンロード件数は60 万件以上、導入システム数は700 システム以上、国内外の多数のシステムで利用されています。

 

※「Hinemos」はNTT データ先端技術株式会社の登録商標です。
※その他の会社名・製品名は、各社の登録商標または商標です。

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ソリューション事業部 運用管理ソリューションビジネスユニット
[右側] Hinemosグループ チーフエンジニア 澤井 健
[左側] Hinemosグループ 村井 栄王

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ポータルサイト:https://www.hinemos.info