NTT西日本
クライアント端末からの情報漏えいを防ぐ
「シンクライアント・トータルソリューション」
の提供開始について
西日本電信電話株式会社(以下、NTT西日本)、株式会社 エヌ・ティ・ティ マーケティングアクト(以下、NTTマーケティングアクト)、株式会社 エヌ・ティ・ティ ネオメイト(以下、NTTネオメイト)の3社は、個人情報保護法の施行等に伴い情報セキュリティ対策に悩みや不安を抱える企業や自治体向けに、クライアント端末からの情報漏えいを防ぐ「シンクライアント※1・トータルソリューション」を平成17年9月1日(木)より提供を開始した。
※1 企業や自治体の情報システムにおいて、社員等が使うコンピュータ(クライアント端末)に最低限の機能(表示・入力の機能)しか持たせず、サーバ側でアプリケーションソフトやファイルなどの資源を管理するシステムの総称。また、そのようなシステムを実現するための、保存機能を持たない低価格のクライアント用コンピュータ。
背景
IT化やブロードバンド化が急速に進展し、企業や自治体の情報漏えい事件が多発する中、平成17年4月1日より個人情報保護法が全面施行となり、情報セキュリティ対策に不安を抱える企業や自治体は技術的な対策を講じることが急務となってきた。
また、情報漏えいの80 %以上が組織内部から起こると言われ、問題が深刻化してきていることからNTT西日本グループではこの度、クライアント端末からの情報漏えいを防止する「シンクライアント・トータルソリューション」を新たな情報セキュリティ対策として提供し、企業や自治体のセキュリティ対策促進に寄与していく。
「シンクライアント・トータルソリューション」の概要
「シンクライアント・トータルソリューション」は既存システムの脆弱性のチェックや業務改善などを含めたコンサルティングから、システムの構築・保守・運用までをトータルに展開する新たな情報セキュリティ対策ソリューションである。
アプリケーションソフトやデータファイルを集中管理するサーバと、記憶装置を持たずに表示・入力機能だけを持つクライアント端末を組み合わせたシンクライアント・システムが、組織内部からの機密情報の不正持ち出しや紛失・盗難などによる情報漏えいを防止する(図1参照)。
また、全てのアプリケーションソフトをサーバで集中管理することにより、クライアント端末ごとのアプリケーションのインストールやバージョンアップなどのメンテナンスが軽減され、システム運用管理コストの削減も実現している。
本ソリューションの提供にあたっては、NTT西日本・NTTマーケティングアクトグループ・NTTネオメイトグループが連携してワンストップで提供し、地域に密着したサポート体制により展開していく。
シンクライアント・トータルソリューションの特徴
(1)既存クライアント端末を利用し、低コストでシンクライアント化を実現
ハードディスクを持っていないシンクライアント専用端末を利用するソリューションの提供はもちろん、既存のクライアント端末からハードディスク部分を取り外しシンクライアント端末として利用するソリューションを提供することにより、低コストでシンクライアント・システムを構築する。
また、取り外したハードディスク内のデータをサーバやクライアント端末に移し替えるサービスを提供すると共に、ハードディスク内に残存するデータをNTTネオメイトグループの「ハードディスク内容消去サービス」で完全消去することで、情報漏えいを防止する。
(2)24 時間365 日体制の運用・保守窓口を設置
サービス提供開始と同時にシンクライアント・システムの運用・保守に関する一元窓口を設置し、24 時間365 日体制でリモートによる運用・保守サービスを提供する。
(3)地域密着のサポート体制
西日本各地にサービス拠点を持つNTT西日本グループの企業特性を最大限に発揮し、お客様により身近なサポート体制で、スピーディーにサポートする。
導入効果
(1)盗難、紛失や不正持ち出しによる情報漏えいの防止
クライアント端末にデータを保有せず、サーバで集中管理することにより、データの盗難・紛失や不正な持ち出しによる情報漏えいを防ぐ。
(2)サーバ集中管理による運用管理業務の大幅削減
サーバ集中管理により、アプリケーションソフトのバージョンアップなどの端末の管理業務が軽減され、システム管理に関わるコストを大幅に削減できる。
費用
570万円(税込み)~
※ 50 ユーザ30 同時接続可能な最小構成システムの場合
NTT 西日本グループ内のシステムへの導入
NTT西日本グループでは、ICカードや指紋認証などで情報漏えい防止対策を講じてきたが、高度なセキュリティが要求される営業系支援システムを利用する外販部門に、新たに開発した指紋認証システムと連携したシンクライアント・システムを導入し、情報セキュリティ対策を強化していく(図2参照)。
【対象システム】
- 外販営業活動管理システム
- IP系サービス(フレッツサービス)の受注・工事・料金管理システム
【導入部門】
- NTT 西日本及びNTT マーケティングアクトグループの外販業務に係わる部門
【規模】
- 西日本全域:約200拠点
- 端末台数 :約2,000端末
今後の展開
今後は、NTT西日本グループ内の連携をさらに強化し、シンクライアントの機種追加やコールセンタ、テレワークといった外部に業務委託する場合の情報セキュリティ対策メニューの他、持ち出し端末(ノートPC、PDA)の盗難・紛失を想定した新規サービスの開発と提供を実施していくとともに、NTT西日本グループ内の情報セキュリティ対策にも本ソリューションを積極的に活用し、情報漏えい防止に努めていく。