NTTドコモと東武鉄道がセルラードローンを活用した鉄道インフラ予防点検の実証実験を開始

インフラ構造物での点検作業の効率化と安全性の向上を目指す

NTTドコモ, 東武鉄道 2018年4月13日

NTTドコモ(以下、ドコモ)と東武鉄道は、2018年2月より携帯電話ネットワークを利用するドローン(以下、セルラードローン)を活用した鉄道インフラの予防点検の実証実験を開始した。

ドコモはこれまで、ドコモ・ドローンプロジェクトの一環として、災害発生時の被災状況の確認や基地局、及び鉄塔・橋梁などの生活インフラの点検を想定した、セルラードローンを活用したソリューション開発に取り組んできた。ドコモはパートナーとともに新たな価値を協創する「+d」の取り組みを推進しており、セルラードローンを活用した社会的課題の解決を目指している。

また、東武鉄道では、463.3kmにわたる長い営業キロにおいて、安全・安心な鉄道運行を維持するにあたり、セルラードローンなどの情報通信技術・ロボット技術を活用した、構造物などの予防点検の精度向上、点検コストの低減などについて検討してきた。

本実証実験は、2018年2月27日(火)に東武日光線利根川橋梁、翌28日(水)に東武鬼怒川線の隣接法(のり)面の実環境において、インフラ維持管理・更新におけるドローンの活用を検証するため実施した。既存の目視点検などに代わる、より安全で効率的なセルラードローンを活用した点検手法を確立することを目指している。

利根川橋梁の実証実験では、セルラードローンに搭載したカメラを通じ、通常目視による点検が困難な橋梁上部や低水路内の橋脚の点検を実施した。また、取得した点検画像の一部については、NTTグループのAI「corevo®」を構成するドコモの画像認識技術を活用した自動解析を行い、実用性を検証する。鬼怒川線隣接法面の実証実験では、同様にセルラードローンに搭載したカメラを通じ、点群データを活用した法面の詳細な実情把握を実施した。ドローンの飛行情報をLTEモバイルネットワーク経由で取得しながらモニタリングを行うことで、今回の実証実験場所のように広範囲かつ複雑な構造物の周辺であっても、安全なドローンの飛行が確認でき、今後の実用化に寄与するとしている。

なお、ドローンでの計測及び3次元データ解析については、ルーチェサーチ社の協力を得て実施した。

ドコモは本実証実験結果をもとに、今後さまざまな観点から評価を行い、2018年度も引続き実証実験を重ね、セルラードローンを用いた点検業務の商用化を目指す。加えて、自動飛行の実現やさらなる解析精度向上を目指し、「ドローンプラットフォーム docomo skyTM」への機能搭載も検討していく方針だ。

なお、ドコモと東武鉄道は、安心して暮らせるサステイナブルな社会の実現に向けて、自治体や地域住民の方の声に耳を傾け、本実証実験を通じて、ドローンビジネスの先駆けとなるべく、より安全でかつ使いやすいサービスの開発と実用化をめざし鋭意検討を進めていくとしている。

 

詳細はNTTドコモによるニュースリリースを参照
https://www.nttdocomo.co.jp/binary/pdf/info/news_release/topics_180413_01.pdf