真の実務能力をもつスペシャリストを育成する
「RHCE(Red Hat認定エンジニア)トレーニングコース」
知識だけでなくビジネス環境に対応できる人材の育成を
RHCEトレーニングコースでは、最終的に試験に合格し、RHCE認定資格の取得を目標としているが、同社の試験は、実際の設定・管理能力を判定することを重視しており、IT認定資格試験で多く見られる択一式ペーパー試験ではなく、実技演習による判定試験形式で行われている。現在は「取得される方の70%以上は、20代後半から30代前半の方で占められており、現場で中堅リーダーになろうとしている方々です。必ずしも実際にLinuxを使う環境にない方もいますが、それだけ導入前に対応しておこうとする企業の姿勢が強くなってきたといえるのではないでしょうか。そのためにも最終的には、知識ではなくビジネス環境で対応できる人材へと育成していくことをゴールと考えています。」(前出、織田氏)
また、RHCE取得に力を入れている企業の数も着実に増えており、各企業それぞれ60〜150名がトレーニングコースを受講するようなケースが増えている。こういった状況変化について、織田氏は、「システム構築の傾向として、単一のOSで組まれる傾向になく、今あるシステムの効率性を高めていくことを考えれば、今後はより一層、カスタマイズ・プロフェショナル作業が増加していくと考えます。よって、よりツールとしての意味合いの強い組込あるいはデータベース分野のコースにも力を入れていきます。」
実際にRDBトレーニングコースは、9月に開設された最新のコースであり、注目度も高いという。同コースは、データベースの設定・構築・運用/監視に関する知識を習得するRDB136(初中級編)と、データベース+Apache+PHPシステムを使用したWebアプリケーション構築に関する知識を取得するRDB224(上級編)で構成されており、それぞれ3日間の演習を通じての実践的な知識の習得を目標としている。受講者は、同コースにより、PostgreSQLの基礎知識と構築、運用管理、カーネルの再構築やセキュリティ設定、Apache基本設定、Apacheウェブサーバーの制御や運用知識、PHP3基本設定、プログラミング入門など、現在、必要とされるスキルを一通り習得することが可能である。受講前提としては、RH033を取得済みで、一般的なSQLデータベースの基礎知識が必要とされているが、これまで企業で行ってきた独自の社内研修での、これらスキル習得とは異なり、OSベンダーによる最新の内容になっているだけに、企業の負担軽減以上に、技術者スキルの向上の意味からも、効果は大きいと考えられる。
同コースについて織田氏は、「Webサービスに注目が集まり、その構築をLinuxでといった事例増加も顕著なことから、最初からRDB224レベルまでのスキル取得を目標にして来られる方は、確かに多くなっていますし、受講者にとってビジネス現場での次のステップになるようなコースを、これからも考えていきたい。」と語っている。
新たなカリキュラムも検討中
これまでレッドハットは、オープンソースサーバーOSの提供を通じて、インターネットワーキングやエンタープライズシステムマネージメント、セキュリティ、オープンソースソリューション等を中心に、数多くのコンサルティングサービスにも積極的な展開を図ってきた。その一環として、ヒューマンサポートとの視点から、レッドハットのトレーニングが存在してきたが、今後の展開について、織田氏は次のように語っている。
「これまでトレーニングは、これからLinuxを利用するための単なるトリガーとしての意味しかなかったが、アクティブなLinuxソリューションを提供していく中で、トレーニングは重要なツールとしての意味合いが強くなっている。今後とも、既存のコースに加えて、Linuxエンジニアを目指す方々の要望と市場ニーズに耳を傾け、新たなカリキュラムの増設にも努めていきたい。」
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