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第93回 SysML要求図をGSNと比較する国立大学法人 名古屋大学 情報連携統括本部 情報戦略室 教授 山本修一郎

国立大学法人 名古屋大学 情報連携統括本部 情報戦略室 教授
(前NTTデータ フェロー システム科学研究所長)山本 修一郎

本連載では第57回でSysML要求図を紹介した。また連載第58回でアシュアランスケースのためのGSN(Goal Structuring Notation)を紹介した。今回はこの連続する2回の連載で紹介したSysML要求図とGSNを比較しよう。まず、SysML要求図とGSNの構成要素について復習しておこう。

SysML要求図

SysMLには、要求図、振舞い図、構造図という3種類がある。振舞い図には、アクティビティ図、シーケンス図、状態図、ユースケース図がある。構造図には、ブロック定義図、内部ブロック定義図、パラメトリック図、パッケージ図がある。

SysML要求図の構成要素は、表1に示す要求クラスと、要求クラス間の関係ならびに、関係についての理由の説明という3種類に分類できる。要求図をグラフとしてみると、ノードは要求クラスと、関係についての理由、そして他のSySML図式の構成要素クラスを示す矩形の3種類である。これに対して関係には、階層関係、複製関係、派生関係、満足関係、検証関係、洗練関係、追跡関係、理由関係という8種類がある。

表1 SysML要求図の構成要素

表1 SysML要求図の構成要素

GSNの構成要素

GSNの構成要素は、主張(ゴール)、戦略、コンテクスト、証跡(ソリューション)、未展開要素(保留)と、コンテクスト関係、ゴール関係からなる(表2)。GSNをグラフとしてみると、ノードには、主張(ゴール)、戦略、コンテクスト、証跡、未展開要素(保留)という5種類がある。ノード関係は2種類である。

表2 GSNの構成要素

表2 GSNの構成要素

SysML要求図とGSNの構成要素比較

次にゴール分解の観点から、SysML要求図とGSNを比較した結果を表3に示した。比較項目は、ゴール、ゴール分解、前提条件、追跡関係、ソリューション(証跡)、満足関係、構造関係である。

表3 GSNとSysMLの構成要素比較

表3 GSNとSysMLの構成要素比較

◆ゴール

SysML要求図では、ゴールも要求クラスで記述する。これに対してGSNでは、主張によって記述する。したがって、ゴールについては、SysML要求図とGSNは同じように記述できる。

◆ゴール分解

SysML要求図では、ゴール分解を要求クラスについての階層関係で記述する。これに対してGSNでは、戦略によって記述する。したがって、ゴールについては、SysML要求図とGSNは同じように記述できる。ただし、GSNでは戦略ノードに分解理由を記述できる。これに対してSysML要求図では、階層分解自体には名前を付けることはできない。しかし、階層分解関係に理由関係を用いて階層分解の理由を説明できる。したがって、SysML要求図の階層関係を、理由関係で補足すればGSNの戦略と同じ内容を記述できる。

◆前提条件

SysML要求図では、要求クラスと他のクラスの関係の前提条件を理由関係で説明することができる。したがって、要求の階層分解関係に対する前提条件を理由関係によって表現できる。しかし、SysML要求図には、要求クラス自体の前提条件を記述するためのGSNのコンテクストに相当する構成要素はない。

GSNでは、主張や戦略の前提条件をコンテクストによって表現できる。

◆追跡関係

SysML要求図では、要求クラスと他のクラスの追跡関係を追跡関係で記述することができる。

GSNでは、コンテクストを用いて、主張の前提条件として他の文書と追跡関係にあることを表現できる。

◆ソリューション

SysML要求図では、設計コンポーネントに対するクラスを要求クラスと満足関係で関係づけることができる。要求に対するソリューションを関係づけられる。ただし、GSNの証跡に相当する構成要素はSysML要求図にはない。

GSNではソリューションを証跡によって表現できる。

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第59回以前は要求工学目次をご覧下さい。


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